毎日廊下に立たされた2年生

sawch

2022年01月21日 05:53



小学2年生の頃は毎日廊下に立たされた。
一日に何回も立たされた事もあった。
バケツを持たされた事もあったかも知れない。

廊下は外廊下で眺めが良かった。
外廊下というのは壁が無くて、家庭のベランダの様なものだ。

当時は眺めが良くて遥か遠くに新幹線が走っていた。
サントリーの山崎工場が見えて、それらの奥に天王山が見えた。
遠くの景色を見るのは楽しかった。

私ともう一人のバカ仲間がいつも立たされた。
もう一人の方は進んだ高校でラグビー部に入り、主将となり、大阪代表で全国大会に出たから大したものだ。

何故俺たち二人は毎日廊下に立たされたのか?
落ち着きが無くて授業中大人しく座っていられなかった。
通知表には落ち着きがないと書かれていた。
小学生なのに落ち着いてたまるかと思っていた。
お喋りをしたり、立ち歩いたり、大声を出すと廊下に立たされた。

立たされてばかりいると何か面白い事を探すもので、二人は幽霊ばなしを作って披露しあった。
授業中は幽霊ばなしを作るのに忙しかった。
面白いのを思いつくと早く披露したいのでワザと騒いで立たせてもらった。
「先に行ってるで、」
そう言って廊下に出た事もあった。
そして遥か遠くを眺めつつ幽霊ばなしを披露し合った。
楽しかった。
幽霊ばなしのお陰で随分と頭が良くなったかも知れない。
必死になってストーリーを考えて、いかに友達を怖がらせるかに集中した。
勉強が苦手な皆さんは今からでも遅くはない。
廊下で幽霊ばなしをすれば良い。

そうだ、うちの塾の勉強は幽霊ばなしを考えて貰う事にしようか?
誰も来てくれなくなるかな?

それにしてもかわいい2年生の俺たちをよくも立たせてくれたものだ。
今の子たちは虐待とかで立たせて貰えず、ずっと教室の中で座っていないといけないのだろう。
かわいそうだ。
今はビルが立ち新幹線もサントリーも見えないだろう。
多分外廊下もないだろう。
本当にかわいそうだ。
新幹線ってかっこいい。
幽霊ばなしは作るのも聞くのも怖かった。
楽しかった。

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