「先生〜私弥生高校に行けるかな?」
中2女子が突然志望校への不安を口にした。
「うっせーくそババアとか言わずにこのままちゃんとしてたら大丈夫だと思うよ」
「え〜!それじゃダメじゃん。」
「え〜!言ってるの?」
「時々言っちゃってるかも」
その生徒はとてもかわいくて真面目で決してそんな事を言う様な生徒だとは思わなかった。
お母さんにこの話しをした。
「外では良い子にしていますが家では私や弟に凄いんです。」
弥生ケ丘高校3年女子生徒を家庭教師で教えた事があった。
(くそババア立入禁止)と部屋の入口に殴り書きの張り紙があった。
何があったのか?まだまだカワイイ年頃だったのだろう。
「これまで育ててくれてありがとう。少しはのんびりして仕事や遊びを楽しんで下さい」
就職して家を離れた子どもが初めての給料を貰ってプレゼントをしてくれた時に添えてくれた言葉だと生徒の母親から聞いた。
「嬉しいのか寂しいのかわからずに涙が出ました」
と母親は私に教えてくれた。
最近の子どもは内向き傾向が進んでいる。
外ではとても良い子だ。
学校の先生を殴ったり塾の先生に暴言を吐く子はあまりいない。
子ども同士でも殴り合いや罵り合いはあまりいない。
コロナ禍もあり我慢を強いられて来た。
学校では嫌な事が沢山あるようだ。
そんな子どもが自由にのんびり出来るのは自分の家だけだ。
甘えられるのは母親だけだ。
父親よりも母親だ。
お母さんは何かと大変だろう。
それでも「うっせーくそババア」はすぐに終わる。
終わったらホッとするのか寂しいのか。
何よりも子どもはいなくなるのです。
そこにいたとしてもそれは我が子であってももはや子どもではなくて立派な大人です。
甘えてくれたり暴言を吐いたりせずにちゃんとしています。
『親業は終わったんだな』としみじみ感じる日が来ます。
今のうちに沢山甘えさせてやって下さい。
部屋が汚かったり学校からのプリントを出さなかったり暴言を吐いたりした日が懐かしいです。