日本語のアルファベット
「英語のアルファベットは26個しかないけどドイツ語は30個もあるからドイツ語の方が難しいんだ。」
昔、ドイツ人の友人が半分冗談で半分まじめにそんな事を話した。
実際はドイツ語も26個でイラストの様なのはアルファベットの派生であって数には入れないらしい。
「ところで日本語のアルファベットは幾つあるんだい」
何故か少し上から目線でそう言ってくる。
『50音って言うから50個かな?』
と思って「50個あるよ」
と答えると急に乗り出して来る勢いになった。
「マジか?」
『ちょっと待てよカタカタもあるぞ』
「100個かも知れない」
と言うと、キョトンとし始めた。
『待てよ、漢字もあるじゃん』
『漢字って幾つあるんだろう?』
「待って、1000?いや、10000?」
そう言うと
「ウソだろう?どういう事だ?」
とめっちゃ乗り出して来た。
日本語に少し興味があり、片言は喋るが読む事は出来ない友人だが、私が貸した日本の旅行の雑誌を真剣に眺めた。
「確かにコレとコレは違う。みんな違う様に見える。信じられない。」
と言い出した。
「君はその10000個を全て読めるのか?」
「いや〜、多分無理。」
「じゃ、幾つ読めるんだ?」
「う〜ん、わからない。」
「じゃ、この本のアルファベットは読めるか?」
「読める」
「日本人は誰もがコレを読めるのか?」
「多分読める。」
「負けた。」
日本人は勝ったのだろうか?
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