新入社員の思い出

sawch

2025年04月01日 07:20



4月1日になると毎年の様に新入社員だった時のことを思い出す。
地方都市に本社があり180人以上の新入社員が集められた。私にとっては全員が初対面だ。
不安はなかった。
やれる自信があった。

各部に分かれての新人研修はなんと4月の終わりま1ヶ月もあった。

営業は80人あまりでその半数は6人ずつ分かれた借り上げたマンションを寮として生活を共にした。
私の同部屋のメンバーは楽しかった。
研修終わりには会社のバスで寮まで送ってくれたが途中でスーパーに立ち寄ってくれるので部屋でまとめて食材を購入して自炊をした。
奈良からの人と布団を並べて寝た。
夜遅くまで勉強して、私が怒るとすぐにやめて、寝息を立てて寝てしまうので、私はイライラして余計に寝られなかった。

工場に配属されるのは高卒男子が多くてヤンチャな車を唸らせて出社して来た。
総務は女子が多かった。
中でも広報課や秘書課の女子はレベルが高かった。
この部署の社員とお友達になることが我々営業マンの最初の目標だった。
秘書課には毎年1人たけ男子新入社員が配属され、社長の運転手を1年間続けるのだった。
この男子と友達になり地元採用のレベルが高い秘書課と広報課に地元を紹介してもらうという作戦はうまくいった。

毎日の研修の後で筆記試験があった。
周りの営業の新人は昼休みにも勉強をしていた。
その隙に私は裏工作をした。秘書課や広報課や総務課の女子社員と仲良くなった。

『これが営業の面白さや』と思った。営業か?
『彼女を作ろう』ということではない。
それでも楽しく研修を乗り切るにはこの方法だと思った。

何でもかんでも他人と違うことをしたかったので
周りの社員と違う存在でいたかった。

張り切っていたとも言える。
若かった。

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