2025年01月16日
夢のマイホーム
去年の今頃の時期に突然『家を建てよう』と思った。
能登の地震の映像を見て、阪神大震災の映像を見て、
住宅性能によって助かる可能性に差があると思ったからだ。阪神大震災の時は大阪で古い木造のアパートだが平屋に住んでいたので被害はなかった。神戸の付近に行く機会があったが木造2階建ての古い建物は目立って被害が大きかった。
『キャンプに使うテントみたいな家が一番安全かも』
『寒すぎるやろ』
住宅展示場へ行き、モデルハウスを何軒も見て、幾つかのハウスメーカーと喋った。駒ヶ根市内の売りに出ている土地はほぼ全て見て回った。周りの雰囲気等をじっくりとつかむために歩いて訪れた。
『新しい家は良いな〜』
『快適そうだわ』
と思った。
「耐震性能は高いですよ」と言う営業マンの声は少しは当てにしても良さそうに思った。
しかし結局は途中で探すのをやめた。
『どうせなら快適な場所が良い』
地震対策がきっかけだったが、いざとなると良い土地が見つからない。
学習塾の高校受験生を見送ったら本格的に探そうと思っていたが、むしろ『今の団地で良いかな?』と思う様になった。建物は立派でも実際に建てるとなると窓からは隣りの家しか見えない様な場所に建てるのなら団地は景色が良い。団地からは南アルプスや中央アルプスがよく見える。
『団地は古いが鉄筋コンクリート造りなので大丈夫かも』と都合よく思う様になった。
『家は建てた瞬間から古くなる』とも思った。
家庭教師として沢山の家を見てきたが当時のイケている家はもはや古いタイプの家だ。『あの吹き抜けのリビングはエアコンは効かない』『薪の準備と外壁の塗り直しが大変そう』とかお世話になった家を思い出す。それほど家に興味がない私にはそれらは望ましくない。
昔に家を建てた同級生達は子どもが巣立った今は夫婦だけで広い家に住み住宅ローンはまだ残っている。売ろうと思って安くしても売れない。あちこち改修が必要になったり、水回りを新しくしたくなる。
ローンが残る状況で1000円の塾は出来ない。
きっとどこかで勤めてしっかりと稼がないといけない。
今の方が良い。
親世代は「家は財産」と言ったが『家は負債だ』と思った。
地震対策としてモノを減らそう。置き方を工夫しよう。ガラスから身を守る対策をしよう。
気が付くとマイホームではなくて団地の地震対策が関心になっている。
「お前は家なんか建てたらあかんぞ」
ご先祖がそう言っている様にさえ思う。
Posted by sawch at 08:00│Comments(0)
│独り言