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2020年01月17日

阪神淡路大震災

地震の次の日、私は会社の営業車で神戸方面に向かっていた。
会社の出先が神戸市の西区と西宮市にあった。
大阪にも数か所あり私はその一つに勤めていた。
本社は別の場所にあって神戸と西宮の様子が何もわからず心配なので見に行くようにという指示だった。

梅田から西宮北口まで阪急電車の特急だと現在は16分らしい。
この日は7時間かかった。
想定される色んな物資を積んで西宮の支店に着いた。
社員の中には怪我をして入院した人が何人かいたらしい。
うち一人は同じ事務所で働いたことのある後輩だった。
西宮支店の人と一緒に彼のアパートに行った。
しばらく退院できそうもないので取り壊しになる前に身の回りのものを持ち出そうということだった。
そこには瓦などが重なった小さな山しかなかった。
二階建てのアパートは全て山になっていた。
「あいつは陸上やってた?」
いくつかの陸上のメダルを見つけたのでそう尋ねた。
「聞いた事がないです。。」
隣の部屋の方は亡くなったと聞いた。
そんな中で後輩のものらしいものは何一つ持ち帰ることが出来なかった。
あとから人づてに聞いた話だ。
地震があり一瞬で部屋が崩れ二階に住んでい彼は地中に埋まってしまった。
あちこちが痛くて意識朦朧として自分が生きているのかどうなのか、どちらが上なのか、何が起こったのか、
色んなことが良くわからない時間が延々と続いた。
「この辺りを掘ってみるか?」
かすかにそんな声が聞こえたので何かを叫ぼうとしたが声が出ない。
「ガスの臭いがするぞ。逃げよう。」
その数時間後支店の人間が掘り出してくれた。
彼は10か月ほど入院しそのまま退社してしまったので一度も顔を合わせることが出来なかった。

別の社員のマンションに行った。
玄関の鉄の扉はゆがんで動かない。
窓から出入りをした。
大きなテレビが2mは動いていた。
無事な人であってもこのような状況で家族を含めて生活するのが困難だった。

アスファルトの割れ目から水が漏れていた。
それを小さなコップですくってペットボトルに移している人たちがいた。
あちこちが大渋滞の中前から救急車が来た。みんな少しずつ切り返しをして道を空けて通そうとした。
そこへ後ろから救急車が来た。
つまり消防車と救急車が別の現場へ向かうのだ。
支店は大きな病院の隣にあったのでほとんど常にサイレンの音が聞こえた。

高架道路が崩れ落ちているところがあちこちであった。
時々小さな余震があった。
高架の上で渋滞で止まると心細かった。
もうすぐ生まれてくる赤ちゃんの顔を見ずに死にたくはない。
業務とはいえ自分がやっていることの意義とリスクを考えると空しかった。
大阪へと続く国道上はほとんど進まなかった。
牛丼の吉野家が営業をしていた。
開いている店など何もない中で奇跡の様だった。
国道の渋滞の列に車を置いたままその店に入る人が何人かいた。
数分後に出て来ても車はいくらも進んでいないので怒る人もいなかった。

大阪の支店に戻り状況を上司に伝えそれが本社に行った。
そこから一人一人の身内へ状況が伝えられたらしい。
リスクを冒した甲斐が少しはあったのかもしれない。
自分が行ったことが渋滞の一因となった申し訳なさもあった。

次の日も業務命令で向かわされた。
大勢の社員がいるが昨日行ったので状況がわかっているからということだった。
なんてこった。。。無事に戻ってくることが自分の中での最優先というのが本音だった。
その日は上司の70代になるお母さんが芦屋に住んでいて安否確認が出来ないということだった。
また西宮の支店から求められている物資を届けるということもあった。
近隣の人にも分けられるようにとたくさんの荷物を積んで行った。
私よりも20歳ほど年上の女性の上司と西宮へ行き、そのお母さんの家へは西宮支店の人が行った。
お母さんの家は半壊だったが怪我などは無くて近所の人の家に避難していたらしい。
2人を車に乗せて大阪へ向かった。
いつもは良くしゃべる女性上司もそのお母さんも詫びの他は車内では何も話さなかった。
前日よりはずっと早かったが3時間くらいはかかった。
「トイレに立ち寄りますか?」
「大丈夫です。ありがとうございます。気を遣わせて申し訳ありません。」
高齢のお母さんの言葉に言葉が出なかった。
前の日の一人で走った7時間よりも長い3時間の道のりだった。

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Posted by sawch at 09:46│Comments(0)
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