2023年02月28日
家庭教師の作り話 男々しいヤツ

高校3年生の男子生徒はヤンチャなヤツだった。
中学の同級生は他の高校に進んだがみんな退学してヤンキーになっているらしい。
彼だけが勉強が出来て今の高校に来たそうだ。
しかし二度停学になり学業はさっぱりで3年生になれない心配があって私に依頼してきた。
バスケ部で体が大きく金色のチェーンをチャラチャラ首に巻いていた。
私にはとても懐いていて進級が出来た後も家庭教師を続けたいと熱望されて勉強していた。
「おい、どうしたんや?元気ないな。」
「大丈夫です。」
「大丈夫なら気合入れてヤレや!」
私は少しイライラして言った。
「すみません、実は、、、」
そう言って語り始めた。
「2年の女と付き合ってるって知ってますよね。」
「そいつにふられたんですよ。」
「なんで?」
聞いてやらないと勉強どころではない様子だ。
「慣れない受験勉強でちょっとイライラしてたんです。」
「それでちょっとしたことで怒っちゃって。」
「それでもついてくると思って突き放す様に言ったらそのままになっちゃったんです。」
「俺、2,3日で2kg痩せたんです。」
「あいつは友達とかと普通に笑ってたりするんです。」
「俺はずっとあいつの幸せを願ってるんですけどあいつは俺の事なんてどうでも良いみたいで、」
「先生〜笑わないで下さいよ。」
「ごめんごめん。」
「知ってるか?」
「めめしいってのは女々しいじゃなくて男々しいって書くんやぞ。」
「マジそうっすね。」
チャラチャラと金のチェーンを鳴らしながら大きく体を揺らして笑っていた。
Posted by sawch at 21:51│Comments(0)
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