2023年11月22日
勘違いで天才になった私

私が通った保育園はお寺が運営していて全てが自由たった。
ツバをつけて土を固めて団子を作ったり、通園バックにちり紙(ティッシュの前身)を乗せてツバをつけるとバッグの絵が出てくるのを見て楽しんだりしていた。
月に1回保育園から絵本と紙芝居を購入していた。
母が毎日それを読んでくれた。
きっとそれほど長いお話しじゃないのでそのうちに覚えてしまったのだろう。
少しずつ文字を覚えて、やがて自分でも読める様になった。
それを保育園で披露すると先生は褒めてくれて友達は驚いてくれた。
「俺は天才や!」
天才吉田少年が生まれた。
今なら字が読める保育園児は珍しくもないし、きっと当時でも他の幼稚園辺りでは読める様にしていたのかも知れない。
1年生に上がると天才吉田少年はワクワクしていた。自分が字を読めるのを披露する機会が増えると思ったのだ。
教科書は貰った日に自宅で全部読んだ。
国語の教科書はえんじ色で、あさ、あめ、が最初にあった。
天才吉田少年は授業中に何やらブツブツ言っていた。
天才はそういうものだと思っていた。
『何を言っていたのだろう?』
3ルート5✕マイナス2エックス÷3π とか言っていた様なイメージだが、ルートやパイはもちろん✕も÷も知らなかったのだ。
ただのヤバい少年だっただろう。
天才だってクラスメイトが言うのだから自分は天才だって思っていた。
もしかしたらたった一度誰かが言っただけかも知れないし、
もしかしたら実は誰も言ってないのに勝手に思ったのかも知れない。
この勘違いのお陰で勉強にはそれ程苦労はせずに済んだ。
この逆の勘違いで勉強で苦労させてしまった親は多い様な気がする。
そのたびに自分のこのわらい話を思い出す。
Posted by sawch at 22:25│Comments(0)
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