2025年05月23日
米農家の蔵に米が無い

塾の教室の前には水田が広がっていて田植え前の水を張った様子が心地よい。
教室の大家さんはこの水田の持ち主でもあり、日が暮れるまで水田を耕したり草刈りをしたりしている。
この方は駒ヶ根の市会議員でもあり、焼肉店のオーナーでもある。
「最近は蕎麦やうどんばっかり食べてるんだよ」
とこの方が言う。
『健康面から医者に指示されたのかな?』
と思った。
「この前はスーパーでおにぎりを買ってきたんだ」
と言う。
米を分けてあげている人が何人かいて、
高値になってから追加で欲しがる人がいるそうだ。
言われるがままに分けていたら蔵に一袋しか残っていないらしい。
『夫婦2人とはいえ収穫までを30㌔でやりくりするのか』
と思ったがそうではない様だ。
息子さん家族や娘さん家族、さらには都会に住む孫までの分を含めて一袋しかないらしい。
「長野のおじいちゃんは米を作っているんだ」
都会の孫はそう言って自慢出来る昨今だ。
「俺も稲刈りを手伝ったりするんだぞ」
と言ってるかも知れない。
米農家の価値が高まっている。
それなのに蔵に残る米は一袋で、米を食べない様にして暮らしているなんて、、
人が良すぎるのかも知れない。
世間に米が足りないのが一番の原因だろう。
「その残りの一袋を分けてくれませんか?」
私が冗談でそう言うと笑いながら思い切り首を振った。