2024年05月16日
ブラジル人のパパ

息子が6年生の時の音楽会。
始まってしばらくしてからブラジル人のパパがやってきた。
私を見つけるとニコニコしながら隣に座った。
「デジカメを買ったんですよ〜」
と新しいカメラを出してアレコレと説明をしてくれる。
彼は日本語で話すのは問題ないが読むのは難しい。
元々説明書をキチンと読むタイプではない。
私は詳しくもないが少しは判るので機能を教えた
次の演奏が始まってカメラ談義が終わった。
『この距離からカメラで撮ってもアップは厳しいよな〜』と思ったが息子が歌うのを撮るためにカメラを新調してやってくる良いパパだと思った。
演奏中でもお構いなしに話しかけてくるのが困る。
演奏の合間に彼はどこかへ行ってしまった。
トイレかと思ったがいつまでも戻ってこない。
同じクラスの私の息子と彼の息子の演奏が始まっても戻ってこない。
彼の事が気になって息子達の演奏がよくわからなかった。
6年生が親にプレゼントを渡すというセレモニーがあった。
私の息子は私に渡した。
それに続いて彼の息子もやってきた。
「お父さんはどっか行っちゃったぞ」
息子にそう言うと
「遊びに行ったんです。」
息子は初めから知っていたようにそう言った。
「え?カメラを買って張り切っていたけど、」
「そういう人なんです。」
「どこへ行ったの?」
「名古屋です。」
「な、なごや!」
「バチンコをしにききました。」
『名古屋までパチンコ?』
理解出来ずにいると、
「彼女と遊んでるんです。」
息子は普通の顔でそう言った。
家庭環境は複雑だと聞いていた。
『じゃ、何しにここへカメラを買ってきたんだろう?』
息子は私にプレゼントを渡そうとする。
「家に帰ってお父さんに渡せ!」
そう私が言うと、
「わかりました。でも預かっておいて下さい。」
そう言ってプレゼントを置いてステージに戻った。
音楽会の後で私の息子を見つけたので、そのプレゼントを託した。
『いつもそうだがパパも息子もよ〜わからん』
Posted by sawch at 07:56│Comments(0)
│昔の話