2024年02月27日
大阪の高校入試は地元集中だった

大阪の一部の地域で一時期において地元集中という高校入試の進め方が行われていた。
私は丁度その地域でその時期に高校入試だった。
駒ヶ根に置き換えて説明するとこうなる。
赤穂中の卒業生は赤穂高校か駒ヶ根工業高校に進む様にしなさいというものだ。
あなたが勝手に伊那北や弥生に進むと伊那に住んでいる人が近くの高校に行けなくなるからという考えだった。
松川に住んでいる人は松川高校、高遠に住んでいる人は高遠高校に行く事でそれぞれの高校の格差がなくなるという事だ。
特に私がいた枚方はひどかった。
中学の学級会で進学校へ行く生徒を教師が中心となって吊し上げていた。
「お前が自分勝手に市外の進学校に行くから俺らが地元の高校に行かれへんねん。」成績の悪いヤツらは教師の後押しでそう言った。
成績の良いヤツらは悪い事をしたかの様だった。
多少は反論を言っても教師も相手では分が悪い。
成績の悪いヤツらは頭も悪かった。
当時の大阪は公立高校に行けるのは半分程度の生徒だった。成績下位のヤツらはいずれにせよ私立高校に行くしかなかった。地元集中は彼らには関係なくて成績が中くらいの生徒に関係していた。それに気づいてなかった。
「お前らが遊んでる時にコイツらは頑張って勉強しとんねん。それでええ点数を取ってるのにお前らが同じ高校に行けると思うのは甘いんちゃうか」
そんな格好いい正論を言ったのは私だった。
たまたま司会をしていてそこそこ点数は良かったが地元の高校を近いからという理由で選んでいた。
そんな私の意見には教師も何も言えなかった。むしろ個人懇談で教師は「進学校に行けば?」と言った。
成績の悪いヤツらは私に反論する会話力がなくて、逆らうと後で殴られるだろうと思っていたのかも知れない。成績の良いヤツらは大人しい人が多かったので攻撃しやすいが私はそうではなかった。
結局ほとんどの成績の良いヤツらは市外の進学校に進む事を決めた。
勉強をするだけでもキツイのにこうした嫌がらせがあってどれほど辛かっただろう。
酷いのが卒業式だ。
進学校に進む数十人を親の前で教師が名指しで非難した。
進学校に進むという生徒には内申点を悪く付けるという噂さえもあった。
この運動はそれほど盛り上がらずに終わったらしい。
憲法で守られている自由や権利に反しているので当然だろう。
中学の教師と高校の教師では考え方が違う事もあった。
教える側にすれば生徒の学力差は大きくないのが望ましい。
数年後に高校に教育実習に行った時は地元集中は全く影響してなかった。
中学のかなりの教師だけが騒いでいたのだ。
高校受験というとこの時の事を思い出して嫌な気持ちになる人が今でもかなりいるだろう。