2022年06月07日
ドイツの空手の先生

私が知るその人はいつもニコニコと穏やかだった。
ドイツでの仕事は空手の先生だった。
ソフトボールでのポジションはファーストだった。
その日の試合相手にはドイツ人もいた。
ドイツ人はゴロを打つと言われるがままにファーストベースに向かって走った。
そこには空手の先生がいた。
ドイツ人は一瞬躊躇したが、思い直したように先生に向かって突進しようとした。
ラグビーと勘違いしたのかもしれない。
190cmはある大男だ。
先生は160cmほどだ。
ドイツ人は若く先生は年配だ。
ドイツ人の突進を見た先生は身構えた。
空手の型の様な構えだった。
「ドイツ人がやられる。」
誰もがそう思った。
ドイツ人は殺気を感じて急ブレーキで止まった。
先生は笑顔になりドイツ人と抱き合った。
ここを駆け抜けるんだよ、
そんな風にジェスチャーとドイツ語でファーストベースを指さして説明した。
ありがとうございます。
山の様に大きいドイツ人は小さな先生の生徒になった。