2022年06月19日
教育実習で教師になるのをやめた

教育実習は実に楽しかった。
実習生は15人程いて部活動の様なノリでみんな仲良かった。
生徒達とも仲良くなり授業前の休み時間には廊下で雑談の輪に混じっていた。
高校生の時の担任が30代後半の女性でこの先生が教科主任だった。
私の担当教官は30歳を過ぎた男性教師だった。
「吉田君が高校生の時には勉強をしてくれなくて困らされたんですよ。」
教科主任は担当教官にそんな話しをするくらい和気あいあいとしていた。
じゃなぜ?
出身校だったので半分は知っていたり見たことのある先生だった。
その先生達を職員室で同じ教師の立場から見るのだ。
20代の先生は頑張っていた。
きちんとしていて生徒の事を考えた熱い先生が多かった。
30代の先生は変な先生が多かった。
体育の先生の脳は筋肉で出来ていると私に言った先生がいた。
京谷先生にそれを言ってみろって思った。
発表授業の時はよく出来る生徒を指名するのが良いと言って具体的に指名しない方が良い生徒を教えてくれた。
朝は遅く来て夕方は早く帰る常勤の先生がいた。
実習生に他の先生の悪口を言う先生がいた。
実習生仲間からの情報はこんな感じだった。
どうして実習生の前だけでもちゃんとしないのか?
裏側から見た職員室は高校生の時に見たのとは少し違っていた。
自分もあの中にずっといて30代になると変な先生になってしまうのか。
社会に出たこともないのに人に社会を教えても良いものか?
幾つも年が変わらない高校生達がかわいいだけにいい加減な教師として関わる事は出来ないと思った。
社会人になると厳しい世界で頑張らなくてはいけない。
それなのにいきなり先生と呼ばれて楽をしても良いものか?
当時の先生は今と違って楽だったと思う。
部活動に顔を出す事もほとんどなく、
試合は年に数回の公式戦位だった。
バイクで北海道を旅したときに学生らしい奴以外の大人と思しき人はほとんどが教師だった。
そういう場所に身を置くときっと俺は流される。
とりあえずいったんは社会の荒波とやらに揉まれてみようと思った。