2022年06月16日
首のない登山者の幽霊

高校生の時に付き合っていた女の子は霊感が強かった。良く幽霊を見ると言う。
中学校の修学旅行でも幽霊を見たらしい。
戸隠のペンションでは女子数人の部屋だった。
部屋の隅にボヤーっと影が見えて、それが段々と人の形になってきたらしい。
赤いチェックの服を着ていた。襟があってボタンで止めるヤツだ。いかにも登山者が着る服だ。
顔の辺りは良く見えなかったらしい。
見えなかったというより無かったようだった。
こうした霊を見る経験は時々あるので修学旅行の部屋で騒いではいけないと考えて黙っていた。
他の人には見えないだろうと思っていた。
彼女は部屋から出てリビングにいた。
2人の女子生徒が叫び声を上げて彼女達の部屋からリビングに出てきた。
「幽霊がいる」
そう叫んだ。
翌朝ペンションのオーナーや先生にその話しをした。
その部屋に泊まった登山客が登山中に滑落して亡くなった。身体は発見されたが首が見つからなかった。
赤い登山服を着ていた。
しかしこの部屋で亡くなった訳ではないのにどうしてここに出たのだろうと話してくれた。
ちなみにその夜はリビングに布団を持ってきて寝たらしい。
高校生の彼女はそんな話しをしてくれた。