2021年07月16日
小説 東部中一番の天才
彼女との勉強が終わった翌年に私は雇われの身を卒業し、個人事業主となった。
さらに数年後に口コミで東部中の生徒を得た。
その生徒の家は例の元天才少女の近所だった。
家の前を通ると色んな事を思いだす。
その日はお盆だった。
家庭教師を終えて例の元天才少女の家を通りかかった。
よせば良いのに私はその家を訪ねようと思った。
『お盆だし帰って来てるかな?』
『でもお父さんが怖い』
思い切って家の前に車を止めた。
男性が作業着にタオルを首から下げて植木を切っている。お父さんと比べると随分ぽっちゃりしていて、白髪がいっぱいだ。
『植木屋さんか?』
そう思ったがやはりそれはお父さんだった。
「先生、お久しぶりです。」
「よく来て下さいました。娘もいます。」
そう言ってニコニコと私を家の中に招き入れる。
『きっと誰か他の先生と勘違いしてるぞ』
「先生、久しぶり!」
彼女が出て来てくれてニコニコしながら話しをしてくれた。
東京の大学に通っていて彼氏と同じマンションに住んでいて、間もなく結婚するらしい。
お父さんはやはりニコニコしてその話しを聞いている。
「先生が来てくれていた頃はうちは家族じゃなかったでしょう?」
「先生が娘に色んな事を教えて下さって、娘が私に自分の事を話してくれました。」
「私も悩んでいたところで二人で沢山話しをしました。」
「ようやく家族になれました。」
「すぐにお礼を言うべきでしたが言えずにすみませんでした。」
そう言いつつどこかから中元と書いたそうめんを持ってきた。
長年のつっかえたモノが取れたような清々しい気持ちで家をあとにした。
さらに数年後に口コミで東部中の生徒を得た。
その生徒の家は例の元天才少女の近所だった。
家の前を通ると色んな事を思いだす。
その日はお盆だった。
家庭教師を終えて例の元天才少女の家を通りかかった。
よせば良いのに私はその家を訪ねようと思った。
『お盆だし帰って来てるかな?』
『でもお父さんが怖い』
思い切って家の前に車を止めた。
男性が作業着にタオルを首から下げて植木を切っている。お父さんと比べると随分ぽっちゃりしていて、白髪がいっぱいだ。
『植木屋さんか?』
そう思ったがやはりそれはお父さんだった。
「先生、お久しぶりです。」
「よく来て下さいました。娘もいます。」
そう言ってニコニコと私を家の中に招き入れる。
『きっと誰か他の先生と勘違いしてるぞ』
「先生、久しぶり!」
彼女が出て来てくれてニコニコしながら話しをしてくれた。
東京の大学に通っていて彼氏と同じマンションに住んでいて、間もなく結婚するらしい。
お父さんはやはりニコニコしてその話しを聞いている。
「先生が来てくれていた頃はうちは家族じゃなかったでしょう?」
「先生が娘に色んな事を教えて下さって、娘が私に自分の事を話してくれました。」
「私も悩んでいたところで二人で沢山話しをしました。」
「ようやく家族になれました。」
「すぐにお礼を言うべきでしたが言えずにすみませんでした。」
そう言いつつどこかから中元と書いたそうめんを持ってきた。
長年のつっかえたモノが取れたような清々しい気持ちで家をあとにした。
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