2021年07月23日
竪琴を弾く白い服の女性
10代の終わりに近い年の夏だった。
大阪の夏の夜は蒸し暑く毎日が寝苦しかった。
網戸をつけた窓を開けて寝るが、蚊が入ってきたり、外の気配が聞こえてきて安眠出来ない夜が続く。
嫌な夢をよく見た。
オリンピックの儀式に出て来るような白くヒラヒラとした服を着た美しい女性がポロンポロンと竪琴を弾いている。
私をじっと見つめて微かな微笑みを抱いている。
『この女性に引き込まれたらあの世に連れて行かれるんだろうな』
そんな気がしていた。
『これって現実ではなくてただの夢だ』
同時にそんな気もしていた。
少しずつ目が覚めてくるのが判った。
『やっぱり夢だったんだ』
恐怖が薄らいできた。
しかし何故か竪琴の音が聞こえる。
目が覚めれば覚めるほどしっかりと聞こえる。
「ポロンポロン」
部屋の外のベランダの方から聞こえてくる。
『これって幽霊だな』
『あの夢は現実だった』
『目を開ければ絶対に幽霊がいる』
少し目を開けた。
夢に出て来た美しい女性が白いヒラヒラした服を着て竪琴を弾いている。
「ポロンポロン」
夢ではなくて現実の音が聞こえる。
『俺もいよいよ幽霊デビューだ。』
恐怖感はなかった。
『この美しい女性に連れて行かれてしまうんだろうか』
ぼんやりとそんな事を考えながら薄目を開けたり、目を閉じたりを繰り返した。
『まあ、それも良いか』
思い切って目をしっかりと開いた。
窓に掛かるレースのカーテンが微かに揺れていた。そばに置いたクラシックギターにカーテンが触れるとポロンポロンと音が鳴っていた。
幽霊デビューは持ち越しとなった。
ホッとしたというより残念だった。
連れて行かれても良かったかも?
オリンピックの儀式の映像を見るとあの夏の夜を思い出す。
今日も見るかも知れない儀式に出て来る女性があの夜と同じ顔だったらちょっと嬉しい。
大阪の夏の夜は蒸し暑く毎日が寝苦しかった。
網戸をつけた窓を開けて寝るが、蚊が入ってきたり、外の気配が聞こえてきて安眠出来ない夜が続く。
嫌な夢をよく見た。
オリンピックの儀式に出て来るような白くヒラヒラとした服を着た美しい女性がポロンポロンと竪琴を弾いている。
私をじっと見つめて微かな微笑みを抱いている。
『この女性に引き込まれたらあの世に連れて行かれるんだろうな』
そんな気がしていた。
『これって現実ではなくてただの夢だ』
同時にそんな気もしていた。
少しずつ目が覚めてくるのが判った。
『やっぱり夢だったんだ』
恐怖が薄らいできた。
しかし何故か竪琴の音が聞こえる。
目が覚めれば覚めるほどしっかりと聞こえる。
「ポロンポロン」
部屋の外のベランダの方から聞こえてくる。
『これって幽霊だな』
『あの夢は現実だった』
『目を開ければ絶対に幽霊がいる』
少し目を開けた。
夢に出て来た美しい女性が白いヒラヒラした服を着て竪琴を弾いている。
「ポロンポロン」
夢ではなくて現実の音が聞こえる。
『俺もいよいよ幽霊デビューだ。』
恐怖感はなかった。
『この美しい女性に連れて行かれてしまうんだろうか』
ぼんやりとそんな事を考えながら薄目を開けたり、目を閉じたりを繰り返した。
『まあ、それも良いか』
思い切って目をしっかりと開いた。
窓に掛かるレースのカーテンが微かに揺れていた。そばに置いたクラシックギターにカーテンが触れるとポロンポロンと音が鳴っていた。
幽霊デビューは持ち越しとなった。
ホッとしたというより残念だった。
連れて行かれても良かったかも?
オリンピックの儀式の映像を見るとあの夏の夜を思い出す。
今日も見るかも知れない儀式に出て来る女性があの夜と同じ顔だったらちょっと嬉しい。