2022年10月12日
俺の相棒は浪速の一番星だった

京都インター近くの食品問屋で荷物を積み込むのが俺の仕事だった。
トラック乗りの人とペアでの仕事だった。
高速道路に乗り彦根にあるスーパーの配送センターへ行き積んできた荷物を店舗別のカゴに仕分けをする。
トラックに乗っている時の俺の仕事はなかった。
浪速の一番星という格好良い名前のトラックだった。
当時流行っていた派手なトラックだった。
運転手は29才。怖そうな風貌のお喋り好きな人で運転中はずっと喋っていた。
家族の話しや自分の夢の話しを熱く語っていた。
無線で周りの仲間とも喋っていた。
無線では下らない話しを楽しそうにしていた。
「浪速の一番星1号線南インター手前、エル子ちゃん二人です。」
女子高生をエル子ちゃんと呼んでいた。
エル子ちゃんとは何か?聞かなくても教えてくれたのだろうと思うが覚えていない。
現代のエル子ちゃんはドラクエのキャラクターらしいが昭和のエル子ちゃんは何だったのだろう?
無線でのやり取りは自分の位置を伝え合うのとエル子ちゃん情報だった。
高速道路にはエル子ちゃんは歩いてないので無線は聞く側だけになり、私への熱い語りが多かった。
菅原文太の男気に憧れていた。
やんちゃをしていた話しや家族の為に頑張る話しをしてくれた。
最近のトラックと違ってやたらスピードを出していた。きっと俺が一緒だったので普段よりも張り切っていたのだろう。
バキバキバキというトラックの音は確かに気合が入った。
一番星さんは今も元気にトラックに乗っているだろうか?
まだエル子ちゃんが大好きなんだろうか?